はじめに
Adobe CameraRawでの星空レタッチ処理の続きです。前回は星空を強調する処理を行いました。
今回は地上風景のレタッチをします。
地上風景のレタッチ
前回の記事に書いたように「地上風景はシルエットではなく、優しい感じにうっすら明るく」という方針でレタッチします。
地上のマスク
前回作成した空のマスクを利用して地上のマスクを作成します。
空のマスクのメニューから「マスクを複製して反転」を選びます。

地上マスクができました。オーバーレイ表示をするとマスク部分が赤く表示され、作成されたマスクの範囲を確認できます。

コントラスト調整
星空とは逆にコントラストを下げます。ここでは目いっぱい-100としました。
コントラストを下げることにより明るくなり、シャドウでつぶれていた部分がうっすら浮かび上がってきます。

シャドウ調整
地上部分をさらに浮かび上がらせるため、シャドウを上げます。あまり上げすぎると地上が昼間のようになり不自然になるので注意しましょう。

地上がうっすら浮かび上がってきました。
仕上げ処理
空と地上のレタッチが終わったので、最後に仕上げ処理を行います。
色かぶり補正
地上風景を入れた星空写真では、ほとんどの場合街灯りなどによる色かぶりが写ります。この写真の場合、地上付近の薄雲が街灯りによって黄色くなっています。
カラーミキサー機能を使い、この色かぶりを補正します。
サイドバーの編集アイコンをクリックし、調整画面をスクロールしてカラーミキサーを表示します。彩度タブをクリックし、ターゲット調整ツールのボタンをクリックします。

マウスを黄色く色かぶりしている部分に持っていきます。

クリックしながら左にドラッグすることにより、黄色い部分の彩度が低くなり色かぶりが抑えられます。これもまたやりすぎると不自然になるので、ドラッグする長さで調整します。

このカラーミキサー機能は便利なのですが、残念ながらマスクと併用ができません。
クリックした箇所だけに限らず、画面全体に影響しますので注意が必要です。
全体の微調整
全体を見てバランスがとれているかどうかを確認し、明るさやコントラスト、ホワイトバランスなどを微調整します。
ここではコントラスト色合いと彩度を少し調整しました。

ノイズ処理
星空写真のレタッチでは避けて通れないノイズ処理。CameraRawではAIノイズ処理と手動ノイズ処理の2種類が用意されています。

ディティールのエリアのノイズ除去というチェックボックスがAIノイズ処理、輝度のカラーのスライダー部分が手動ノイズ処理です。
AIノイズ処理は強力ですが副作用もあるので、ノイズの多さに応じて使い分けるのが良いと思います。ノイズ低減については過去に比較記事を書きましたので参考にしてください。
今回のデータはF1.4という明るいレンズの恩恵で、ISO3200という星空撮影としては低い感度で十分な露出が得られており、ノイズは多く出ていません。AIノイズを使うまでもないので、手動ノイズ低減を使います。
ノイズが多い地上部分を拡大表示し、確認しながら輝度のスライダーを上げていきます。上げすぎるとシャープさが失われツルツルになってしまうので、ノイズが少し残っているくらいのところで調整するとよいと思います。今回は+25にしました。


出来上がり
レタッチ前と比べるとこんな感じですがどうでしょうか?
実際にレタッチする際には、もっといろいろなテクニック?を作って仕上げますが、基本的な調整はこんなところです。
星空写真のレタッチはどこまで強調するか、空の色をどうするか、地上を明るくするか暗くするかなど人によりさまざまです。あくまでも私の好みですが、下記の点に気を付けてレタッチしています。
- 空を青くしすぎない。ニュートラルグレー、または少しだけ青に寄せる。
- 地上はシャドウ部がつぶれないよう諧調を残し、色も出す。
- ひどいノイズや境目付近の不自然な明るい縁取りなど、強調による副作用が出ないようにする。


CameraRawの限界
説明した通り、CameraRawだけでも星空撮影のレタッチは十分に可能ですが、CameraRawだけでは不十分な場合もあります。
- 星や天の川をもっと大胆に強調したい。
- 空と地上を別撮りして、地上風景もクオリティ高く処理したい。
- 複雑な色かぶりを処理してクリアにしたい。
こんな場合にはPhotoshopを使って処理することになりますが、それはまた別の機会に。
おわりに
星空撮影のレタッチ方法というのは、ネットで検索すると色々ヒットはしますが、部分的なものが多く、一連のワークフローを網羅的に解説しているサイトはないような気がします。(もしそんな素敵なサイトがあったらすみません。)
また、肝心なところはあえて触れないようにしてある場合もありそうです。
そういうわけで、私のレタッチ方法も一般的な方法なのか、正解の方法なのかどうかはよくわかっていませんが、手順を整理して文章にすることで自分のレタッチのフローを再整理できればという思いで記事を書いています。
また気が向いたらPhotoshopを使った方法など、続編の記事を書こうかなと思っています。