はじめに
LUMIX S5IIのライブビューコンポジット機能。この機能は星空撮影向けに用意されている機能だと思うのですが、今まで一度も使ったことがありませんでした。
試しに使ってみたところ、「これ意外と良いのでは?」と感じましたので記事にしました。
ライブビューコンポジット機能とは
星空撮影の表現方法の一つに、適正露出で連続して撮影したカットを比較明合成し、日周運動による星の光跡を表現する、という方法があります。
ライブビューコンポジット機能は連続撮影+比較明合成をカメラ内で処理してくれる機能です。もともとOLYMPUS(現OM SYSTEM)のカメラに最初に搭載されて有名になった機能だと思いますが、LUMIXのカメラにも多くの機種で搭載されています。
S5II発売当初は搭載されておらずファームウェアのVer2.0で追加されました。
なぜ今まで使っていなかったのか
ライブビューコンポジット機能には下記の制約があります。(DC-S5M2取扱説明書より引用)
以下の機能を使用中は、[ライブビューコンポジット撮影]は使用できません。
– [シャッター方式]の[電子シャッター]、[電子シャッター+NR]
私はシャッターの摩耗が気になるので、星空写真では電子シャッターしか使いません。S5IIは電子シャッターでもメカシャッターと同等の画質で撮影ができるので、星空撮影でのメカシャッターではデメリットしかありません。
ましてや一回の撮影で数百枚のカットを撮影する星の光跡撮影ではなおさら、そんなわけでこの機能は使ってみようと思うことすらありませんでした。
使ってみた
OMのカメラを使っている友人が星空や花火撮影でライブコンポジット機能を使いこなしているのを見て、ふとS5IIのライブビューコンポジット機能を試してみたくなりました。
という事で晴れた夜の日にベランダでテスト撮影してみました。
ライブビューコンポジットの操作方法
ライブビューコンポジットを撮影手順は下記のとおりです。
- シャッターモードをメカシャッターまたは先幕電子に設定
→私は先幕電子にしました - ライブビュー撮影開始
- シャッターボタンを押し、ノイズリダクション用のデータを取得
→メカシャッターのシャッター幕が下り、ダーク画像を撮影しているようです - シャッターボタンを押して連続撮影を開始
→音もなく連続撮影が始まり、比較明合成した画像、撮影枚数、撮影時間がリアルタイムで表示されていきます。 - シャッターボタンを押し、連続撮影を終了

こんな感じで、モニタ上で撮影状況を確認できます。
なるほど、光跡の長さを確認しながら撮影ができるのはなかなか面白いです。
思っていたのと違ったところ
撮影は電子シャッターで行われる
先ほど書いたようにライブビューコンポジット機能はシャッターモードをメカシャッターに設定する必要があります。当然撮影自体もメカシャッターで行われると思い込んでいました。
しかし実際にはメカシャッターが使われるのは、最初にノイズリダクション画像を取得する1回のみ、その後の連続撮影は電子シャッターで行われることがわかり、私の懸念はなくなりました。
合成前のカットは保存されない
撮影後、保存されるのは最終的な合成画像のみで、合成前の各カットは保存されません。OMのライブコンポジット機能も同様とのことなので、一般的な仕様なのかもしれませんが、保存することができたらなお便利なのにと思いました。
RAW記録が可能
カメラ内の記録とはいえ、画像処理したデータなので保存形式はJPEGだけだと思っていたのですが、RAWを記録することもできます。
通常のRW2と同じ形式なので、私が使っているCameraRawでもRAW現像が可能です。カラープロファイルの変更や、AIノイズ低減といったRAWならではの調整も使えるのでこれはありがたいです。
撮影結果
星の光跡を撮影するときは、普段は間隔ゼロのインターバル撮影で連続撮影し、PC上で比較明合成を行っています。
ライブビューコンポジット機能を使った場合とインターバル+PCで比較明合成した場合と比べてどうなのかを比較してみました。比較明合成のソフトはStarStaxを使い、Lightenモードで合成しました。
撮影設定
ライブビューコンポジット、StarStax合成のどちらも下記のとおりです。
- ISO:1600
- 絞り:F8
- シャッタースピード:8秒
ライプビューコンポジットで約30分撮影し、そのすぐ後に間隔ゼロのインターバル撮影で約30分撮影しました。
合成した枚数はライブビューコンポジットの方は227枚、StarStaxの方は211枚です。
現像パラメータ
現像はCameraRawを使い、ライブビューコンポジット、StarStax合成のどちらも下記のとおりで現像しました。
- カラープロファイル:カメラスタンダード
- 色温度:5950
- 色かぶり補正:+29
- レンズプロファイル:適用無し
上記以外のパラメータはCameraRawデフォルトのままです。
撮影結果
撮影結果はこんな感じです。


全画面で見る限りは特に違いはなさそうなので、同じ星が写っているあたりを拡大してみます。

まずはライブビューコンポジットの画像です。特に明るい星での偽色がやや目立ちますが、光跡自体は途切れることがなくきれいにつながっています。これには驚きました。
一方、インターバル撮影+StarStax合成の画像は下記になります。同じ星が写っている部分を拡大しました。

ライブビューコンポジットと比べると明らかに光跡のきれいさに劣ります。
- 光跡の途切れが目立つ。特に暗い星は顕著にわかる。
- 偽色がより目立つ、白い星の光跡がマゼンダっぽく見える。
- ただライブビューコンポジットでも偽色は発生していますので、拡大すると気になるレベルだと思います。
デメリット
ライブビューコンポジットの画質はいいという結果になりましたが、合成前のカットが残らないためデメリットもあります。
飛行機を消しにくい
インターバル撮影の場合には、合成前のデータをSequatorで処理することで飛行機をきれいに消すことができる場合が多いです。
ライブビューコンポジットの場合には、合成後のデータから手動で削除するしかありません。
意図しない明かりがあった場合にリカバリできない
例えば、撮影中に車の明るいライトがあたった場合、インターバル撮影撮影の場合にはそのカットだけを処理することで、明かりを消すことができますが、ライブビューコンポジットの場合にはリカバリができません。
おわりに
S5IIライブビューコンポジットですが、電子シャッターが使えないという思い込みは間違いであり、手動で処理するよりもきれいに光跡が仕上がる事がわかりました。
今まで一度も使ったことがない機能でしたが、検証してみて少し驚きでした。
意図しない明かりがあった場合にリカバリができないという大きなデメリットはあるものの、そのようなリスクの無い場所で撮影する場合には、積極的に使ってもよさそうだな、と思いました。
以下の機能を使用中は、[ライブビューコンポジット撮影]は使用できません。


















































